乾燥する時期になると、風邪の予防や健康のために使うことの多い加湿器ですが、実は美容にも効果があることをご存知でしょうか。 お部屋においたり、寝る時に枕元に置く、オフィスでも卓上タイプのものを使用しているという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、美容にも健康にも興味がある方に向けて、加湿器選びのポイントとおすすめ商品について解説してきます。
なぜ加湿器が美容に良いのか
加湿器が美容にいいと言われる理由には以下のような理由と関係性があります。
肌の乾燥:肌の乾燥と湿度には大きな関わりがあります。肌にとって最適な湿度は約65%〜75%と言われており、湿度が50%以下になると角質層の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進みます。そのため加湿器で湿度を保つことが美容にもおすすめなのです。
髪の乾燥:髪の毛の湿度が60%以下になるとパサつきツヤが失われてしまいます。髪の毛の水分量が10〜15%をキープすることでツヤのある、しなやかな髪を保ちやすくなります。しかし加湿をしすぎると髪の毛がゴワつきはじめるため、適度な加湿がおすすめです。
健康面:米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)の調査によると、健康過ごせる湿度は40%〜60%というデータがあり、湿度が40%を下回った際は、加湿器や濡れたタオルを利用して湿度をあげることをおすすめしています。
寝るときの加湿の重要性
加湿について意外と見落としがちなのが、睡眠中の湿度です。睡眠と湿度についても、以下のように健康と美容に密接な関係があるのです。
睡眠の質:湿度が高すぎると寝具が湿り、不快感から寝づらくなる。湿度が低すぎると肌と喉が乾燥しウイルスの活動が活発になり体調を崩しやすくなる。 厚生労働省によると、寝室の湿度は40%〜60%程度がよく、睡眠環境が改善され睡眠の質も向上すると言われています。
アレルギーの緩和:寝室の湿度が低下すると、室内の花粉などのアレルギー物質が空気中に舞いやすくなります。また、湿度が40%以下になると、 肌が乾燥し、かゆみ・湿疹・蕁麻疹などが出やすくなります。湿度が高すぎるとダニなどの動きが活発になることもあるため、こちらも、やはり湿度40%〜60%程度に保つのがおすすめです。
風邪予防:湿度が40%を下回るとウイルスが浮遊しやすくなり、喉の粘膜が乾燥し免疫力が低下するため、風邪を引きやすくなります。室内の湿度は50%〜60%程度に保つことが効果的です。
オフィスで加湿器を使うメリット
朝や夜、室内は加湿器などをおいているという方も多いと思われます。しかし、日中は仕事で加湿が難しいという方もいるのではないでしょうか。
そんな方には、オフィス用の卓上加湿器がおすすめです。オフィスで加湿器を使うメリットには以下のようなものがあります。
集中力の向上:オフィスのおすすめの湿度は、夏は35%〜50%、冬は55%〜65%とされています。湿度が低く乾燥した状態だと、喉の乾燥やドライアイ、ウイルス感染のリスクが高まります。また、パソコンでお仕事を多くされるという方は、ドライアイに加えて、目の疲労も増えてしまうと言われています。
肌の乾燥対策:最近は、お客様への印象について気を配り、女性・男性問わずにスキンケアへの関心が高まっております。オフィスで加湿器を使用することで、肌の乾燥による肌トラブルを改善、保湿された肌はハリやツヤにも関わり、印象にも影響を与えます。オフィスを加湿し、肌の乾燥を抑えることはビジネス面からも効果があると考えることができます。
静電気防止:空気が乾燥し、湿度が50%を下回ると静電気が起きやすくなります。湿度を50%以上にすることで表面抵抗値が下がり場所全体の静電気を抑えることができます。
加湿器を選ぶ際のポイント
加湿器は健康面においても、美容面においても効果があることがここまでの記事でも理解いただけたと思います。 しかし、販売されている加湿器にも色々種類があり「どうやって選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
ここからは、そんな加湿器選びにお悩みの方に向けて加湿器を選ぶ際のポイントを解説していきます。
加湿方式
加湿器選びのポイント1つ目は「加湿方式で選ぶ」です。 加湿器は、水を蒸気にして噴出する機会であり、この加湿の方法にもいくつかの方法と効果があるのです。
- 蒸気式:ヤカンのように水を加熱し、蒸気を作る加湿器。加熱するため比較的、衛生的なのがメリットだが加熱する分電気代がかかるのが特徴です。
- 気化式:水をフィルターに浸透させ風を送ることで水を気化させる加湿器。ファンを利用するため大空間には不向きだが、加熱しない分電気代は低め。
- 超音波式:超音波振動で水を粒子にして空気中に放出する加湿器。お手入れを怠ると水分内の雑菌なども放出する可能性があるが、こちらも電気代は低め。
- ハイブリッド式:2つの方式を組み合わせたもの。気化式にヒーターがついているものと、超音波式にヒーターがついているものがある。 湿度を上げたい時や殺菌したい時だけヒーターを利用できるため、両方のメリットをもちつつ電気代も抑えることができます。
加湿量
加湿器選びのポイント2つ目は「加湿量で選ぶ」です。加湿器にはそれぞれ「定格加湿量」というものがあり、 この数字が大きいほど加湿能力が高くなります。
それぞれの定格加湿量で加湿できる広さの目安は以下のようになっています。
- 定格加湿量(mL / h) 300mL:木造和室の場合5畳、プレハブ・洋室の場合8畳 500mL:木造和室の場合8.5畳、プレハブ・洋室の場合14畳
- 700mL:木造和室の場合12畳、プレハブ・洋室の場合19畳
- 1,000mL:木造和室の場合17畳、プレハブ・洋室の場合28畳
- 1,500mL:木造和室の場合25畳、プレハブ・洋室の場合42畳
消費電力
加湿器選びのポイント3つ目は「消費電力」で選ぶです。 加湿器は長時間稼働して使うことが多いものなので、それにかかる消費電力は大事になってきますよね。
この消費電力は加湿方法や加湿量により変わるもので、目安は以下のようになっています。
- 蒸気式:消費電力、300〜800W 1時間あたりの電気代、約3.2円〜8.6円
- 気化式:消費電力、3〜20W 1時間あたりの電気代、約0.03円〜0.2円
- 超音波式:消費電力、20〜50W 1時間あたりの電気代、約0.2円〜0.5円
- ハイブリッド式:消費電力、30〜300W、1時間あたりの電気代、約0.3円〜3.2円
手入れのしやすさ
加湿器選びのポイント4つ目は「手入れのしやすさ」です。 加湿器は蒸気を作るためにタンクに水分をためて使います。
そのため、使用後はタンクやノズルなどのお手入れが必要になります。 水を使う機器は共通して「細菌の繁殖やカビの発生」に注意しなければなりません。
お手入れを怠ると、細菌やカビが発生しそれが空気中に散布される危険性や、知らない間に顔や体に浴び続けるという危険も。 タンクやノズルがお掃除しやすいもの、水分を拭き取ったり乾燥させやすい形のものを選ぶことで、衛生的に加湿器を利用することができます。
機能
加湿器選びのポイント5つ目は「機能で選ぶ」です。 加湿器には加湿方法以外にも、以下のような色々な機能があり機能面も考慮して選ぶのがおすすめです。
- エコモード:状況に応じて、消費電力の少ないモードで運転してくれ消費電力を抑えてくれます。
- ターボモード:帰宅時など乾燥が気になる際、スピーディーに加湿してくれるモード、外出先で乾燥に気になった際など帰宅後すぐに加湿できるのが嬉しいです。
- ナイトモード:お休みモードと表記されていることも、表示パネルの明るさや運転音を抑えてくれ睡眠の邪魔をせずに加湿してくれます。
- チャイルドロック:ボタンの入力をロックして誤作動を減らしてくれます。小さなお子様がいる家庭におすすめ。
- 湿度調節機能:センサーで湿度を感知し、設定した湿度を自動的に保ってくれる機能。加湿しすぎることを防いでくれます。
- タイマー機能:設定した時間に、オンまたはオフしてくれる機能。つけ忘れ、消し忘れを防いでくれるので忙しい方におすすめの機能です。
安全性
加湿器選びのポイント6つ目は「安全性」です。 小さなお子様やペットがいる家庭では、誤作動や事故などの危険を減らしてくれる機能がついている加湿器がおすすめです。
先述した、チャイルドロック(ボタンをロックしてくれ小さな子どもが触れても安心)がついているもののほかにも、 気化式などのヒーターを使わない加湿器を選ぶことで、やけどなどの事故を減らしてくれます。 また、床に置くタイプではなく卓上モデルなどを選ぶなど、お子様の手の届かない場所におけるサイズの加湿器を選ぶことも安全性に繋がります。
デザイン
加湿器選びのポイント7つ目は「デザインで選ぶ」です。 加湿の大切さが注目されてから今日に至るまで、色々なメーカーから様々な加湿器が販売されております。
デザインに関しても、どんどんと洗練されてきており、気に入ったデザインで選ぶこともよいでしょう。 白を基調としたデザインであれば、インテリアの邪魔をせず清潔さを感じられます。
黒やグレー、木目調のものなどであれば、スタイリッシュで高級感のある印象を与え、汚れも目立ちにくいです。 色付きのものであれば、インテリアの差し色やデザインの一部としてパッと目を引き明るい印象を与えてくれます。
加湿器を選ぶ際の注意点
加湿器を選ぶ際には、注意しなければならない点があります。 それは、「加湿のしすぎに注意」と「定期的なお手入れ」です。
今まで解説してきた中でも、少し触れましたがこの2点はとても大切なので、改めて詳しく解説していきます。
加湿しすぎに注意
ここまで、説明した中で加湿をすることはとても大切と解説してきましたが、加湿をすればするほど良いかというとそうではありません。 加湿のしすぎによる問題点には以下のようなものがあります。
- カビやダニの発生:カビは家具やカーテンを黒くしてしまったり、カビの胞子を吸い込むことで肺に申告な病気を引き起こす可能性もあります。 ダニは高温多湿を好み、湿度が65%程度になると活発に動き出します。
- 結露の繰り返し:外気温と室温の差で結露が発生します。結露が繰り返し起きるとカビの原因になりアレルギーなどを引き起こしやすくなります。 加湿の目安は、一般的に40〜60%となっており、それ以上の加湿はカビやダニの発生を助けてしまうため注意しましょう。
定期的なお手入れ
加湿器は、機器内の水を蒸気に変えて噴出する機構をしています。 そのため、水分が機器内に残ってしまうと、細菌の温床やカビの発生源になってしまいます。
使用後は、加湿器内の水は放置せずに廃棄し、タンクやノズルについて水分はキレイに拭き取るようにしましょう。 また、加湿器についている取扱説明書をよく読んで、記載された頻度と方法で定期的なお手入れを実施しましょう。
加湿器内に放置された水を誤って散布してしまい吸い込んでしまうと「加湿器肺」というアレルギー性肺炎に至る場合があるため危険です。 何度お手入れしても、カビなどが発生する場合はメーカーに対処法を問い合わせるか、買い替えを検討しましょう。
まとめ
この記事では、加湿器が健康と美容に効果のある家電であることを解説しました。 加湿器には、蒸気式・気化式・超音場式・ハイブリッド式などの方法で、蒸気をつくり噴出することで、湿度を上げてくれる家電です。
湿度が40%以下になると、肌・髪の毛・喉が乾燥しはじめるため、健康面でも美容面でもトラブルが起きやすくなります。 湿度を40〜60%程度に保つと、これらのトラブルは起きづらくなり、風の予防や肌トラブルの予防にも繋がりメリットがいっぱいです。
しかし、湿度が60%以上になると、カビの発生やダニが活発になるなどデメリットが生じ始めるため、湿度の管理には注意しましょう。 加湿器を上手く使って、美容にも健康にもよい生活を送りましょう。